NPO法人 北海道がんサポーティブケア協会

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不眠

一般にがん患者さんの3050%は「不眠」を経験するといわれています。症状の個人差はありますが、診断の前後、治療中、治療終了後の日常生活において、「今までより疲れやすくなった」「よく眠れない」「眠りが浅い」という悩みを訴える患者さんは少なくありません。がん患者さんの不眠では以下のような原因があり、複数の原因が重なっていることもあります。

がん患者さんの不眠の原因

[身体的原因]痛み、発熱、嘔吐など病気の進行や治療に伴う副作用
[生理的原因]入退院など環境の変化
[心理的原因]ストレスや不安、家族への心配など
[精神医学的原因]うつ病、適応障害、せん妄など
[薬理学的原因]ステロイド、中枢神経刺激薬など薬剤による影響

寝酒は逆に寝つきを悪くするので、ほどほどを心がけましょう。
夕方に軽い運動やストレッチをしましょう。
眠る時間は「早すぎず、遅すぎず」を心がけましょう。
寝室の照明は自分が心地よいと感じる暗さ・明るさに調節しましょう。
就寝3060分前に入浴する時は、ぬるめの温度にしましょう。

不眠のために心身のつらさが続く時などは、必要に応じて抗不安薬や睡眠導入剤(睡眠薬)が処方されることもあります。「くせになるのでは」と服用をためらうかもしれませんが、医師の指示を守って服用すれば習慣になる心配はありません。主治医や緩和ケアチームの医師に相談しながら、お薬を上手に使ってつらさを和らげてください。

眠れない時は、誰でも不安になってしまいます。眠ろう、眠ろうとするあまりに逆に目が冴えてしまうこともあるでしょう。少し乱暴な言い方ですが、たとえ2、3日不眠が続いたとしても、決して心配しないでください。眠ろうとがんばりすぎず、20分以上眠れない時は、一度ベッドから離れ、リラクセーション法などを試してみましょう。眠気を感じてから再びベッドに戻るようにすると、意外に眠れることもあります。

[監修者:埼玉医科大学精神腫瘍科教授 大西秀樹先生]