NPO法人 北海道がんサポーティブケア協会

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倦怠感のマネジメントにエクササイズは有効である

Effectiveness of exercise interventions in the management of cancer-related fatigue: a systematic review of systematic reviews

Supportive Care in Cancer volume 31, Article number: 153 (2023)

対象:倦怠感に対するエクササイズの有効性に関するシステマティックレビューとメタアナリシスを調査

方法:2022年までの文献的調査研究

Pubmed、Embase、Cochrane Library、CINAHL、Web of Science、China Knowledge Resource Integrated Database、Wanfang Database、Chinese Biomedical Databaseを利用。レビューに関するクオリティはAMSTAR IIで評価した。46のシステマティックレビューを評価した。

結論:レビューの検討ではエクササイズはがん関連倦怠感を改善させることをサポートする結果であったが、さらにクオリティの高い検討が必要である。

1件のフィードバック

  1. 倦怠感について運動が有効であるとした既報についてIntroductionの中で紹介している。筋肉に抵抗をかける「レジスタンス運動(スクワットや腕立て伏せなど)」のほうがエアロバイクなどの運動よりも効果があるという論文や、運動時間や頻度には関係しないなどの論文も紹介されている。サポーティブケア領域においてはいつも話題になるこの「倦怠感」についてはRCTなども行われているが個々の論文では運動の有効性については言及されるものの包括的あるいは体系的にどのようにその効果を評価し、実践していくべきかについてはまだ明確に示されたものはない。

    この論文は文献的調査により運動の有効性について検討した論文である。論文内のTable2に検討した文献がリストされており、どのような研究が行われてきたかが分かるので参考になる。

    運動は倦怠感の改善に効果的であり薬物の介入よりも良かったという報告、乳癌・肺癌では有効だが前立腺がんでは有効性はみられなかったという報告、有害事象としては、睡眠障害、摂食量が減る、筋肉痛、骨折、心血管系のイベントが増えるなどがあるという報告、倦怠感に対する第一選択としては推奨しないというような報告もあった。

    倦怠感に対するアプローチは全世界的にも注目されているが、倦怠感の評価方法、介入方法などについてもまだまた議論が必要な分野である。

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